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　本研究では、化石燃料由来の製品群の幾つかを、木質系バイオマスを原料として作りだすバイオリファイナリーを展開し、炭素繊維複合材料を構成する樹脂部分を植物由来の材料から製造する。その際に、二つの手法を用いる。
　一つは、バイオマス高分子成分を低分子化した後、基幹化学物質へ変換し、この基幹化学物質モノマーを重合して樹脂を作る方法である。もう一つは、バイオマスの高分子成分の構造を生かし，官能基を導入した修飾反応を施して熱可塑性樹脂を作る。
　これらの手法により、植物由来の炭素繊維複合材料の開発を目指す。

• 炭素繊維複合材料として利用可能な木質系セルロース・ヘミセルロース由来の高機能熱可塑性樹脂を開発する。この樹脂を用いた材料が、化石燃料由来の材料と同等の熱的・機械的特性を発揮できるレベルにする。
• 炭素繊維複合材料として利用可能なリグニン由来の熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂を開発する。この樹脂を用いた材料が、化石燃料由来の材料との性能比較を行い、実用可能な性能レベルにする。
• 藻類又は稲藁系のセルロース及びデンプン由来の熱可塑性樹脂を開発する。この樹脂を木質系由来の樹脂と同等の性能レベルにする。