リサーチプロフェッサー

登用型

人間社会研究域
歴史言語学系

教授藤井 純夫

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  • 考古学

Keywords

西アジア,新石器時代,遊牧文化

Research content

 広大な乾燥地帯である西アジアにおいて,唯一農耕・牧畜が可能な「肥沃な三日月弧」と呼ばれる地域は,永らく西アジア文明の中心と考えられてきた。しかしこれは都市・農村世界に偏った解釈であり,「肥沃な三日月弧」の外側で発展した遊牧社会を含めなくては真の中東理解は成立しない。
 本研究では,先史考古学の各手法に加えて,動植物や環境科学の研究手法を用い,西アジアの遊牧社会成立過程を多面的かつ包括的に追跡する。これにより,都市・農村世界に偏った従来の西アジア観を根底から刷新して,「肥沃な三日月弧」の内外を見据えた,格段に包括的な西アジア理解につなげることを目指す。具体的には,以下の課題解明を目標とする。

  • 「肥沃な三日月弧」からの派生:先土器新石器時代B後半における短距離移牧の派生過程
  • 「肥沃な三日月弧」からの離脱:後期新石器時代〜銅石器時代における初期遊牧の離脱過程
  • 「肥沃な三日月弧」からの自立:前期青銅器時代における遊牧社会の自立過程

 我が国の西アジア考古学は,日本考古学伝統の精緻な発掘・分析を標榜するばかりで,ことパラダイムに関しては依然として追随的であった。本研究は,これに挑戦するものである。

 

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